「学校に行きたくない」というお子様の声が増えています。
全国で児童生徒の不登校は過去最多となり、文部科学省は「極めて憂慮すべき結果で、コロナ禍による環境変化が大きな影響を与えていることがうかがえる」としています。
しかし親としては、いくらコロナ禍でも学校くらい行かないでどうするの?と心配になりますよね。大人の目から見たら学校生活は今しかできない貴重な経験です。どうしたらいいのでしょう。
今回は不登校の対処方法をまとめてみました。この記事をお読みいただければ、あなたが今どうすればいいのか具体的におわかりいただけるはずです。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
突然ですが、こんなお悩みを抱えていませんか?
- お子様の勉強面が心配
- どう接して良いかわからない
- うまく対応できない自分を責めてしまう
決してあなただけではありません。周りには見せないかもしれませんが、思春期・プレ反抗期世代のお子様を抱えたたくさんの親が悩んでいる問題です。しかし、この悩みを放置するのは大きな危険につながります。今回は、お悩みの中でも特に危険な2つのことをご紹介します。
危険①あなたのお子様の良さはどこへ?
子どものためを思わない親なら、子どものサボり癖やだらしなさも全く気にかけないでしょう。子どもの将来を本気で考える親ほど学校や塾に行くことを強く勧める傾向があります。
教育の機会が本人のやる気や資質にぴったり合えばこんなに将来に役立つことはありません。機会を子どもに与えようと働きかけるのは愛情が深い証拠です。
一方子どもは親に愛されたい気持ちはずっと変わりませんが、成長の過程で自分自身の意思をはっきりと持ちます。自分の意思が親の勧める方向と違っても自分を受け入れてほしい、と切ないほど願っています。
考えの食い違いはどんな人間関係でも起こり得ますが、親子の場合は力関係が問題です。どうしても親が強いコントロールで支配する形になることから、子どもの心の傷となり本来の良さを奪う悲しい結果につながります。
危険②ご両親自体も心身共に疲弊をしてしまう
笑顔あふれる家庭でありたい!だからこそあなたも様々な努力や我慢をなさっていますよね。子育ては何かと負担が大きいもの。子どもの心配があればなおさら親の重荷は増えます。
幸せになってほしいからこそ激しく叱ったり、時には手をあげてしまったり。そして子どもからは酷い言葉で傷つけられ…。後悔の念が強まれば、「なぜこんなことに?」「自分はいわゆる毒親という存在なのか」と自己嫌悪に陥ります。親も当たり前ですが人間です。苦しさが積み重なれば精神的に追い詰められてしまいます。
子どもが不登校になったら、一体どうしたら良いの?
学校や勉学は人生にとって大事なことです。でも子どもの心は大切ですよね。親の考えも間違ってはいないからこそ心の整理がつきませんが、実はポイントはここです。間違っていないからこそ、気持ちの伝え方や接し方に改善への分岐点があります。
無理強いせず、子ども自身が「学校に行きたくなる」ように背中を押すのが大切です。親としては子どものやる気を引き出す言葉を学んだり、学ぶことの幸せや楽しさを体感させたりする取り組みが有効になります。
今日から試したい不登校へのお子様の接し方
ポイント①お子様の肯定感を育てる褒め方のコツ4選
よくあるケース…
お子様が描いた絵を見たとき。出来の如何を問わずきっとあなたはお子様を褒めると思います。こんなふうに褒めていませんか?「上手いわ!よく描けたね!」親としては褒めた満足感がありますが、実はこの褒め方はもったいない例です。よい褒め方の例を挙げてみます。
やってみてどうだった?
褒めるときに心がけたいのは、子どもから多くの言葉を引き出すことです。せっかくの誉め言葉が「過剰な評価」「的外れな感想」にならないよう、描いたときの気持ちなど子どもの話に耳を傾け、褒められたいポイントを把握しましょう。自分の意思を尊重してもらえると実感させることが鍵です。
長時間かけてよく頑張ったね
上手下手の結果だけでなく、本人がやろうとした意欲やプロセスを認めましょう。努力を褒められた子どもは成功だけに執着せず、難しい課題にも前向きに取り組めるようになります。
私は〇〇ちゃんがこうしてくれて嬉しい、ありがとう
「私」を主語にしてプラスに感じたことを伝えます。子どもは自分の行動が誰かの役に立ち感謝されたことで自信を持ち、自発的に行動できるようになります。お手伝いのときにも有効ですね。
あなたがいてくれて幸せだよ
絵や学業に関してのポイントではありませんが、日常生活の折々で上記のような子どもの存在をまるごと褒める無条件の愛を伝えましょう。これで得られる自己肯定感は社会性や人間性の土台となります。
ポイント②声のかけ方を変えてみる
不登校になる子どもは、自分で自分をダメな人間だと思い込んでいます。子ども自身が「学校は行くべきなのに」と罪悪感を抱え、それができない自分を責めているのです。 ここで親が単純に「そんなことはない、大丈夫だよ!」と声をかけても、子ども心には響きません。
重要な話をします。あなたはお子様がご自身で考えて答えを出せるように問いかけ、待ってください。
子どもははっきり意思表示する割に未熟です。深く考えずに感情が先走ります。例えば、勉強が原因で不登校になる子どもは非常に多いのですが、なぜ勉強ができないと学校に行けないのでしょうか。それは子ども自身が「勉強できない=悪い」と信じ切ってしまっているからです。
「勉強なんかできなくてもいいよ」という大人の理論も、「塾や家庭教師はどう?」「転校する?」という提案も残念ながらこの洗脳を解く効果が出ません。むしろ子どもの考える機会を先回りで奪ってしまい、子ども自身が考えなくなってしまいます。
なんで、勉強ができないと学校に行けないの?
という問いに対して子ども自身が何か答えを出したなら、それはなぜかな?
など辛抱強く何度でも聞いてみてください。
子どもが自分自身の意見を考えるタイミングが来て初めてネガティブ迷路から方向を変えるきっかけを得ます。
ポイント③将来の夢ややってみたいことを見つけよう
学校は面倒なものと感じている子どもも、夢や目標ができると「自分のための第一歩」とプラスになります。しかし6人に1人の児童が特に将来の夢を持っていないという調査結果があります。
原因としては現実社会に疲弊した親を見て大人をマイナスに捉えがちなことや、成長過程で親が過保護に先回りするために失敗を恐れて挑戦できなくなることなどが考えられます。
もしお子様がご自身の夢や目標をお持ちになったら、どんなに実現が難しいことでも否定せずに、まずは夢を持ったことを褒めてあげてくださいね。
不登校のお子様におススメな活動、3選を紹介
すでに不登校の状態にあるお子様への接し方を3つご紹介します。不登校は心と体が疲れ切ったサインですから、まずは十分な休息を。何かしたい、と自然な意欲が出てきたらポジティブかつ有意義に過ごして回復をしましょう。結果的に学校復帰へのリハビリになります。
おすすめ①お子様の趣味の体験を増やしてあげる
お子様自身で選んで挑戦し、成功や失敗を繰り返す経験をさせましょう。本当に危険な場合を除き、親は手も口も出さずに。
例えば、海水浴、野外アクティビティーなどの自然との関わりもおすすめです。他にもお家でできる折り紙、色塗り、スライム作り、お絵描きなど、小さなことから大きなことまで体験をさせて上げてください。
自らやりたいことを選択し、たくさん挑戦する。そして、たくさん失敗して、どうしたら物事を達成できるのか?そう考える力を育ててあげながらも生きる楽しさ、学ぶ楽しさを知ってもらうのです。
おすすめ②相談先を見つける
また、ネットには様々な意見がありますので、一体何を信じたら良いのか分からない、自分の子どもに合う解決方法は何だろうと悩んでしまうことも多いですよね。
そんな時は、専門家に話を聞いてもらい、解決策を相談してみるのも良いものです。当事者だけでは思いつかない、全く違う視点でのアドバイスが得られます。親子ともども目から鱗が落ちた!と短期間でスッキリ解決に向かうことも少なくありません。
おすすめ③家族で楽しむ時間を増やす
せっかくできたゆとりある時間は親も一緒に楽しんで過ごすのがお勧めです。芸術などのクリエイティブなことや、家事、軽い運動、映画や本などの作品に触れるなど、子ども自身が選んだことを楽しめるといいですね。
困った時は、ひとりで抱え込まないで
学校へ行きたくない気持ちをぶつけられて不安や焦りを感じない親はいません。
しかし「学校に行く」という世間一般では当たり前なルールからはみ出る子ども本人が、実はいちばん不安ですが、不登校は決して悪いことや劣っていることではありません。
誰かに相談することなどためらってしまうかもしれませんが、ご家庭のみで対応に無理しすぎると問題が長引いてしまう場合もあります。専門家の力を借りることで早期に根本的な解決へ向かう近道となることもありますので、先行きが不安だと思ったら専門機関へのご相談もお勧めです。
前向きに解決への道を歩めますように、心からのエールをお送りしたいと思います。
この記事の監修者
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